手術について

胆石の日帰り手術

腹腔鏡手術って安全ですか?最近の胆石手術では、『腹腔鏡下胆嚢摘出術』が標準になっており、ほとんど日帰りで手術当日に帰宅できます。ご希望により1泊入院(提携病院へ)することも可能です。

当院で行っている腹腔鏡下胆嚢摘出術では、臍に10mmの穴を1ヶ所、右上腹部に3mmの穴を1ヶ所、計2か所、合わせて13-15㎜程度の傷で手術を行っています。お腹を大きく切る必要がないため痛みが少なく、早期の回復が可能ですし、傷が小さいため美容上も優れています。

手術時間は30分間から40分間が目安ですが、強い炎症があると時間がかかることもあります。 胆嚢を残しておくと再び胆石ができてしまう可能性が高いため、標準的に胆嚢摘出を行います。胆嚢を取ってしまっても、消化不良を起こしたり、食べたいものが食べられなくなることはありません。手術後に軟便が続く場合がまれにありますが、1ヶ月ほどで元に戻ります。

腹腔鏡手術って安全性

いろいろ利点の多い腹腔鏡手術ですが、これまでの開腹手術とはまた違った特有の手技や合併症があり、安全に行うためには知識や経験、しっかりした技術が求められます。
かつては、腹腔鏡手術による医療事故が報じられ、世間で話題になったこともありました。

そうしたことから、日本内視鏡学会では手術を行う医師の技量を判断するための指標のひとつとして、平成17年より腹腔鏡手術の技術認定制度を開始。
腹腔鏡手術に伴う手技を厳しく審査し、認定を行っています。

私(加賀谷)も、もちろん同学会の技術認定医です。
どうぞ安心して当院の手術をお受けください。

腹腔鏡手術の長所

腹腔鏡手術の長所はどこにありますか?最大の利点は、患者さんの体に対する負担が少ないこと。

開腹する従来からの胆石手術の場合、20cmぐらい皮膚を切開する必要がありましたが、腹腔鏡手術であれば、2mmから10mm程度の創を2~3箇所開けるだけです。
創の大きさをすべて合わせてもたった20mm以下でしかなく、患者さんにとってどちらが楽な手術であるかは明白です。

開腹手術を行った際、術後の回復に難のあった高齢者や持病のある方にとっても、安全で負担の少ない腹腔鏡手術は福音といえるでしょう。

また、腹腔鏡手術ならば傷跡がほとんど目立たないので、美容面でも優れています。

胆石手術後の状態(術後1日目)

  腹腔鏡手術 開腹手術
歩行 その日に帰宅。
近所への外出も可能
入院が必要。
歩行はトイレに行ける程度
衣服の着脱、洗顔 介助は不要。
ひとりでできる
開腹縫合の痛みのため、腕を挙げにくい。
要介助
食事 普通に食事できる 食事は不可。
水分のみ
痛み止め 内服薬などの弱い鎮痛剤で痛みは治まる 注射による強い鎮痛剤を用いないと痛みがつらい

腹腔鏡による胆石手術の状態

炭酸ガスを注入して腹腔を膨らませ、手術をするためのスペースを作り出します。1炭酸ガスを注入して腹腔を膨らませ、手術をするためのスペースを作り出します。

モニターで腹腔内を観察しながら、胆のうの周囲を剥離していきます。2モニターで腹腔内を観察しながら、胆のうの周囲を剥離していきます。

腹腔内で切除した胆石入りの胆のうを10mm創から取り出します。3腹腔内で切除した胆石入りの胆のうを10mm創から取り出します。

胆のうを切除するときは、胆のうの出口にある胆のう管を、2カ月くらいで溶けてなくなる吸収糸で縛ります。
溶けない糸やクリップなどで胆のう管の処理を行うと、それらが胆管内に食い込み、かえって後々胆管結石を引き起こす成因になるからです。

手術そのものは30分程度で終了です。

術後の診療

手術後の抜糸や消毒・入浴などについて教えて下さい。術後の診療はいつ何回ぐらい行うのですか?縫合には2カ月くらいで溶けてなくなる糸を使用します。
したがって、抜糸はありません。

このとき、埋没縫合法といって、皮膚の表面に糸が出てこないやり方で縫合します。
縫合の際には生体用の瞬間接着剤を用います。
皮膚の切開部分が完全に塞がるので、創から細菌感染を起こすようなことはなく、帰宅してから自分で創を消毒したりガーゼを取り替えたりする必要はありません。

入浴についても、手術の翌日にはすぐシャワーを浴びることができ、3日後には湯船につかっても大丈夫です。

術後の診察は、1週間後に1回行います。
このときに特に問題がなければすべて終了です。
また、術後の診察にはスマホ・タブレットによる遠隔診療が可能です。
詳しくは下記をごらんください。

オンライン通院・遠隔診療オンライン通院・遠隔診療

胆石手術を行ったときの合併症

胆石の手術はかなり安全性の高いものです。
ただ、合併症の可能性がまったくないわけというわけではなく、どんな手術であってもリスクは必ず存在します。
胆石手術についていえば、次のようなものが挙げられるでしょう。

  • 出血
  • 化膿(創感染、腹腔内膿瘍)
  • 胆管損傷
  • 開腹への移行
  • 腹部以外の影響として、心筋梗塞、肺炎、脳卒中など

手術をする際に、安全性には細心の注意を払って行いますが、上記合併症の可能性については十分ご理解ください。

一番上に戻る
TEL:047‐312‐7707お問い合わせフォーム
加賀谷正クリニックおしりのお悩み.com 監修 加賀谷正クリニックそけいヘルニア日帰り手術 専門外来 加賀谷正クリニック加賀谷正クリニック 千葉下肢静脈瘤治療ガイド手掌(しゅしょう)多汗症の専門外来 加賀谷正クリニック加賀谷正クリニック 手術後の遠隔診療ご希望の方はこちら